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HEALTHCARE : 健康

DATE : 2019.01.31

誕生日は検診日。自分の身体に「ありがとう」を。 NPO法人代表 岡田美春さんインタビュー 後編

誕生日に乳がん検診を受ける習慣を呼びかけているNPO法人『バースデー健身』。前編でお伝えした通り、代表の岡田美春さんは、乳がんで亡くなったお母さんの遺言を守って20代後半から受診。そのおかげで、乳がんを早期で発見できたという経験をお持ちです。

後編では、講演会で検診や健康意識の大切さを伝えている岡田さんに、活動に込めた想いをお聞きします。また、誕生日に検診案内が届く「HAPPYメール」の登録方法や、実際に登録してみた感想もお届けしますので、ぜひご参考に。

10年後の私のために、今できること。



――2012年にNPO法人『バースデー健身』を立ち上げ、現在は幼稚園、学校、企業、病院、「名古屋ウィメンズマラソンEXPO」など、さまざまな場所でがん検診の啓蒙活動をされているのですね。

岡田:講演会やイベントに来てくださる方々は年齢も職業も幅広く、女性だけでなく男性も多くいます。自分の経験を語るだけではなく、乳がんの正しい知識を伝えるために「ピンクリボン検定」を受け、心理学やコーチングなどの知識も織り交ぜて、興味を持って聞いていただける講演を心がけています。講演後、「早速検診の予約を入れました」「家族にがん検診のことを話しました」という声をいただくことも多く、やりがいを感じますね。



――手に持っている丸いものは何でしょうか?

岡田:講演で「乳がんのしこりってどんなものなんですか?」「自分で触ってわかるものですか?」と質問されることが多いので、この胸の模型をお渡しして、しこりを確かめてもらうんです。触ってみてください。しこりが2つあるんですけど、わかります?


――どこでしょう……あ、ありました! よく触るとわかりますね。

岡田:肉まんの中に梅干しの種とかパチンコ玉が入っているような感じですよね。医師によると、自分で胸を触って違和感がないか確かめるセルフチェックもすごく重要だとのこと。そこで、誕生日の検診と月に1度のセルフチェックの両方をおすすめしています。

また、がんは生活習慣病の一つでもあるので、講演では日頃から健康を意識することの大切さもお伝えしています。


――忙しいと、健康ってなかなか意識できないんですよね……。

岡田:20~30代の働く女性に話を伺うと「忙しいとコンビニのお弁当ばかり」「入浴は、湯船に浸からずシャワーだけで済ませてしまう」と言う人がとても多いです。でも、今の生活習慣が5年後、10年後の身体をつくります

ストイックになる必要はないんです。週に何回かはゆっくり湯船に浸かる、お弁当は野菜多めにする、なるべく温かいものを飲む、暴飲暴食しない、たまには階段を使う……日常生活の中で、ほんのちょっと健康を意識するだけでいいのです。私もがんを経験してから、自分の身体の声をしっかりと聞いて、無理をしないことを心がけています。

1年間健康でよかった。検診をポジティブに捉えて。



――現在、日本で乳がん検診を受けている人は、どのくらいいるのでしょうか?

岡田:年齢によっても異なりますが、日本の乳がん検診率は約30~40%です。私の母が乳がんになった16年前は10%台だったので、だいぶ上がってきましたね。有名人の方が乳がんを公表するようになったことで、検診への意識が高まってきていると感じます。ただ、欧米での乳がん検診率は70~80%なので、それに比べると日本の乳がん検診率はまだまだ低いのが現状です(※)。

「忙しくて時間がない」「検査結果を聞くのがこわい」など、さまざまな理由で検診を受けていない人がいますが、乳がんは早期発見・早期治療で90%以上が治る病気です。ぜひ一人でも多くの方に検診を受けてもらいたいです。

※乳がん検診率データの出典は以下
厚生労働省 https://www.gankenshin50.mhlw.go.jp/campaign_30/outline/low.html
日本医師会 https://www.med.or.jp/forest/gankenshin/data/japan/



――誕生日の検診を呼びかけているのには、何か理由があるのでしょうか?

岡田:恋人や夫、家族の健康は気遣うのに、自分自身のことはほったらかし……。そういう女性ってすごく多いと思うんです。でも、あなたが大切な人を思うように、あなたにとってあなた自身は大切な人。だから、自分を大切にする日をつくってほしい。せめて誕生日くらいは、365日休みなく頑張ってくれている自分の身体と向き合い、与えられた命に感謝してもらえたらいいなと思ったんです。


――『バースデー健身』では、メールで検診時期を案内しているそうですね。

岡田:日々忙しいと検診ってつい忘れてしまいますよね? そこで、メールアドレスを登録いただいた方には、誕生日に検診時期をお知らせする「HAPPYメール」をお送りしています。現在の登録数はおよそ8000人。「メールのおかげで毎年検診を忘れずに済む」と好評です。


――「HAPPYメール」というネーミングがいいですね!

岡田:「がんになるのが怖いから検診に行かなきゃ」ではなく、「この1年、健康で過ごせてよかった。来年の誕生日も元気で過ごすために検診に行こう!」って、ポジティブに捉えてもらいたいので、こう名づけました。誕生日に届くこのメールが乳がんの早期発見につながるだけでなく、自分の身体を大切にするきっかけになればうれしいです。


――ありがとうございました。岡田さんのお話を伺って、検診の大切さがとてもよくわかりました。「HAPPYメール」に登録して、誕生日に乳がん検診を受けたいと思います。

簡単登録の「HAPPYメール」で、検診を忘れずに。



インタビュー後、誕生月に検診時期をメールでお知らせしてくれる「HAPPYメール」に早速登録してみました。登録は無料です。

「バースデー健身メール 登録申し込み」
https://www.birthday-checkup.me/about/requestmail/

① 申し込みフォームに、名前・生年月日・メールアドレスを入力して送信します。名前はニックネームの登録でもOK。スマホの場合はホームページに記載されているQRコードから登録すると便利です。

② 登録が完了すると自動返信メールが届きます。メールを確認したら、あとは誕生日に届く「HAPPYメール」を待つだけ。

③ 時間がある方はぜひ、乳がんに関する意識アンケートにもご協力を。項目を選択するだけの簡単なアンケートで、1分ほどで完了します。

そして迎えた誕生日! 下記のような「HAPPYメール」が届きました。



「お誕生日おめでとうございます」から始まるメールはポジティブな文面で、文字どおり“HAPPY”な気持ちに。バタバタと忙しい日々を過ごしていると、検診をうっかり忘れてしまいそうなので、こうしてメールでお知らせしてくれるのはうれしい限りです。
メールを受け取った後、すぐに最寄りの医療機関をリサーチして乳がん検診を予約しました。検診が終わったら、いつも頑張ってくれている自分の身体へのご褒美として、リフレッシュする時間をつくろうと思います。

誕生日は、自分を大切にする「がん検診の日」。
『バースデー健身』が呼びかけるこの習慣は、今後も少しずつ広まっていきそうです。


PROFILE

岡田美春おかだ・みはる

NPO法人『バースデー健身』代表。29歳の時、同級生を子宮頚がんで亡くし、その半年後に母を乳がんで亡くす。その後しばらく不安とストレスに苦しむも、待望の一人娘が誕生。母の遺言通り子宮頸がんと乳がんの検診を受けるも、30代半ば 定期健診で自身に初期の乳がんが発覚し、手術を受ける。2012年12月 NPO法人『バースデー健身』設立。自身の経験を踏まえ、誕生日にがん検診を受ける習慣を呼びかけている。
https://www.birthday-checkup.me/

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