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DATE : 2020.02.18

気になる胸のしこり、これって病気?しこりの原因や乳がんとの関係について

お風呂や着替えの際、胸にしこりが見つかると「病気かもしれない…!?」と気になりますよね。たしかに胸のしこりは乳がんなどのサインの場合もありますが、治療が必要ない良性のしこりの場合もあります。この記事では医師監修のもと、しこりができる原因や胸のしこりの特徴、乳がんとの関係やしこりのセルフチェックについてご紹介します。

監修:医療法人優美会理事長、吉井クリニック院長 吉井友季子先生

胸に気になるしこりが…しこりができる原因とは?

気になる胸のしこりは、いったいどのような原因でできるのでしょうか。胸のしこりができる原因と、それぞれの特徴について解説します。


胸のしこりができる原因の例

・良性乳腺疾患

「良性乳腺疾患」とは良性の乳腺変化の総称で、がん化の心配がほとんどないとされています。基本的には心配ありませんが、悪性の腫瘍と区別がつきにくいので、気になる症状があるときはなるべく早く受診しましょう。また、しこりが大きくなるなど、必要な場合はしこりの切除などの対処を行う場合もあります。

【乳腺線維腺腫】
小さなしこりで、触ると良く動き、時間とともに自然に消えていくことも多くあります。女性ホルモンの影響でできると考えられており、がん化の心配もほぼなく基本的には治療も必要ありません。

【乳管内乳頭腫】
乳頭の近くの乳管の中にできるイボのようなしこりで、症状としては乳頭から透明または血の色をした分泌物が出る場合があります。正常な範囲から少し変化しているだけで、乳がんに変わる心配は低く、基本的に治療の必要もありません。

【嚢胞(のうほう)】
乳腺の組織の一部が袋状になり、中に水が溜まっている状態です。女性ホルモンのバランスの不安定さが原因と考えられており、ホルモンバランスが整うか、あるいは閉経して女性ホルモンが少なくなると消えていきます。基本的に乳がんに変わる心配はなく、治療の必要もありません。

・乳腺炎

乳腺が腫れて赤くなり、熱や痛みが出る疾患です。乳腺が細菌に感染したり、乳管が母乳で詰まったりすることで起こります。細菌感染の場合は「化膿性乳腺炎」、母乳の詰まりの場合は「うっ滞性乳腺炎」と言い、それぞれ抗生物質の投与や患部の切開、搾乳などの処置を行います。過去に授乳経験がなくても感染や喫煙の影響で起こることがあるので、注意が必要です。

・乳がん

乳房内の乳腺などにできる悪性の腫瘍です。症状は胸のしこりやひきつれに始まり、がん細胞がさまざまな場所に転移するため、腕のむくみやしびれ、腰・背中の痛みなどさまざまな症状が出ることがあります。悪化すると死に至ることもあるため、早期発見・早期治療が重要です。

気をつけてみておきたい、胸のしこりの特徴



胸にしこりがあるとき、どんな疾患の可能性があるのかしこりの状態である程度わかります。ここでは、気をつけておきたい胸のしこりの症状や特徴について解説します。


気になる胸のしこりの特徴

・皮膚、胸壁にはりついている

乳がんがかなり進行しているときにできるタイプのしこりで、皮膚がひきつれたように見えることもあります。

・硬く、表面が不規則

硬いしこりや、しこりが不規則にできており境目がはっきりしない場合、乳がんの恐れがあります。

・しこり近くの皮膚にくぼみがある

胸にえくぼのようなくぼみがある場合も、乳がんの可能性があると言われています。

・熱っぽさがある

触ったときに熱っぽさがあるしこりは、がんの可能性があります。皮膚に赤みがあったり、しこりに痛みがあると炎症を起こしている場合も。

こういったしこりがある場合は、自己判断せずすぐに医療機関を受診しましょう。

しこり=乳がんではない!でも、これらの特徴がある胸のしこりは要チェック



しこりがあっても乳がんではない場合も多々ありますが、いざというときのために事前知識を持っておくことは大切です。乳がんのしこりの特徴や乳がんができやすい場所について、以下で詳しく紹介します。


乳がんのしこりの特徴

実は、乳がんのしこりの特徴はさまざまで、乳がんだけに現れる特徴があるわけではありません。パチンコ玉やビー玉のように硬い場合、マシュマロのように柔らかいが硬い芯がある場合などはがんの可能性が高いと言われていますが、そうした特徴のしこりのすべてが乳がんというわけではなく、判断には医師の診察が必要です。

しこり自体に痛みはなく、「えくぼ徴候」と呼ばれるえくぼのようなくぼみもよくみられます。また、腫れや皮膚のひきつれにも注意が必要です。


乳がんのしこりができやすい場所

乳房は、下記のように5つの領域に分かれています。



乳がんのしこりは上記5領域のいずれにもできる可能性がありますが、C領域(乳房の外側上部)は特に乳がんのしこりができやすいと言われています。定期的にセルフチェックし、しこりができていないか確認してみましょう。

セルフチェックで定期的に胸のしこりを確認しよう!



胸のしこりを発見するためには、自分で胸を触って確認するセルフチェックが効果的です。

しこりで発見できる疾患の中では特に重い病気である乳がんも、手でしこりを触ることで発見しやすく、早期治療が可能になります。実際、乳がん患者の半分以上は自分でしこりなどの異変に気づき、医療機関を受診しています。

20歳以上の女性の場合、月に1回以上セルフチェックを行うことが望ましいでしょう。月経が始まってから5~7日目が、セルフチェックを行うタイミングの目安です。セルフチェックの詳しい手順は、動画とイラストでわかりやすく解説された「月1おっぱいチェック」のページで確認できます。

「月1おっぱいチェック」
https://wwwsp.himawari-life.co.jp/linkxpink/healthcare/selfcheck/

まとめ

胸のしこりは問題ない場合もありますが、もし乳がんのサインだった場合は一刻も早く治療を開始することが大切です。月に1度の簡単なセルフチェックでしこりの発見を早めれば、もし乳がんだった場合でも完治する可能性を上げられます。ぜひ定期的にセルフチェックを行い、しこりのようなものが見つかったら早めに医療機関を受診しましょう。

PROFILE

【監修】吉井友季子先生YUKIKO YOSHII

医療法人優美会理事長、吉井クリニック院長
大阪市立大学医学部卒業。H11年大阪府吹田市江坂で吉井クリニックを開院。
内科、外科、婦人科疾患、健診や予防医療、美容医学に力を入れ成果をあげている。
著書多数。健康・美容に関して雑誌、新聞でコメントを求められることも多い。
https://www.yoshiiclinic.jp/

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