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DATE : 2020.02.18

乳首が痛い…もしかして病気?痛みの原因とその対処法

「心当たりがないのに乳首が痛む」「ただれや液体の分泌がある」といった症状があると、「もしかして病気?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。不安が大きくなる前に、まずは痛みの原因や対処法を知っておきましょう。この記事では医師監修のもと、乳首のよくあるお悩みや痛みの原因、対処法や受診時の注意などについてお伝えします。

監修:医療法人優美会理事長、吉井クリニック院長 吉井友季子先生

乳首がなんだか痛い…よくある乳首のお悩みをご紹介

乳首の痛みの原因を把握するために、まずは乳首の役割やよくあるお悩みについて解説します。


乳首の役割

乳首の主な役割は授乳です。出産すると、乳房内の乳腺の中で乳汁(母乳)が生成されます。その乳汁が乳腺から乳管を通り、乳首で開口することで、授乳ができるようになります。

乳首は授乳のためになくてはならない部位ですが、デリケートで病気などのトラブルが生じやすい部位でもあります。


よくある乳首のお悩み

では、実際にどのようなお悩みが多いのか、よくある乳首のお悩みを見ていきましょう。

・湿疹、ただれ

胸の周りはブラジャーなどで蒸れやすく、汗をかいたあとに雑菌が繁殖して乳頭がただれたり、皮膚炎になってしまうことも少なくありません。乳頭はデリケートな部位なので、最初は痛みを感じていなくても、かゆみからかきむしってしまうと症状が悪化してしまうことも。

・張り、痛み

乳房が張ったり、乳首に痛みを感じたりすることがあります。女性ホルモン量の影響で月経前に起こる場合が多いようです。

・液体の分泌

授乳期ではない時期でも乳首から液体が分泌され、痛みを伴うことがあります。

もしかして病気…?乳首に痛みを感じるときの原因とは



さまざまなお悩みがある中で、特に乳首の痛みの原因はどのようなものなのでしょうか。原因別にその特徴を解説します。


乳首の痛みの原因

・皮脂欠乏症湿疹

乳首からの皮脂分泌量が低下することで乳首自体が乾燥し、角質がはがれて湿疹ができている状態です。かゆみから患部をかきむしってしまうことでさらに悪化し、痛みがひどくなってしまうこともあります。お風呂上がりに保湿する、病院を受診して塗り薬や飲み薬を処方してもらうなどの対策を行いましょう。

・乳頭炎

細菌の感染などにより、乳頭が炎症を起こしている状態です。乳首の皮脂分泌量が低下し、擦れや汗などの刺激が加わると起こることも。悪化すると赤みが出たり腫れや痛みが強くなったりするため、適度に入浴するなど乳首を清潔に保ち、刺激の少ない下着を身に着けるようにしましょう。

・乳がん

乳房内の乳腺にできる悪性の腫瘍です。乳がんの症状には、乳首の湿疹やただれ、液体の分泌などがあることもあります。乳房に硬いしこりや、何かしらの異変が見つかった場合は早期発見のためすぐに病院を受診しましょう。

・乳腺症

乳腺全体が腫れてしこりとなり、鈍い痛みがあります。女性ホルモンのバランスが崩れていることが原因と言われており、良性の腫れで基本的に治療は必要ありませんが、他の病気と似た症状が出る場合があるため、早めに受診しましょう。

・ホルモンバランスの影響

【生理前の場合】
月経前症候群(PMS)の症状として、乳房や乳首が痛くなることがあります。

【妊娠中の場合】
乳首が押さえられるような痛みや、ひりひりするような痛みを感じることがあります。乳房の構造が変化する妊娠初期に起こるケースが多いと言われています。

【授乳中の場合】
産後すぐ、母乳が作られ始めると乳房全体が張り硬くなることから、乳首に痛みを感じることがあります。

日常生活で考えられる乳首の痛みの原因とその対処法



「上記にはあてはまらないけれど、乳首の痛みがある」という場合、日常生活の中に原因が隠れていることも。その原因や対処法を解説します。


日常生活の中に潜む痛みの原因

・下着などの衣類による摩擦と蒸れ

乳首はとてもデリケートな部位であるため、サイズが合わないブラジャーや刺激の多い素材の衣類を着けていると、摩擦や蒸れが起こり痛みの原因になることがあります。下着や衣類の素材は、柔らかく刺激の少ない綿や絹などがおすすめです。また適性サイズのブラジャーを選ぶために、店舗では必ず試着するのはもちろん店員さんともよく相談しましょう。

・季節や湿度による乾燥

湿度が低くなり肌が乾燥しがちになる冬期や、オフィスや飛行機内などの乾燥した場所にいることが多いと、乳首が乾燥しかゆみや痛みを生じることがあります。対策として、入浴後に保湿クリームを塗るなどして乳首を保湿すると良いでしょう。

痛みがなかなかおさまらない、気になる症状が続くときは受診を



気になる症状が続く場合、いつ病院を受診すればよいのか迷ってしまうことも多いのではないでしょうか。ここでは、受診の目安について解説します。


受診の目安

乳首の痛みが長引くときや、乳首の皮膚に湿疹やかさぶた、ただれなどの病変がある場合は早めに病院を受診しましょう。乳首以外にも、乳房のはれ、しこりを伴っている場合も別の病気が隠れている可能性があるので、早めに受診すべきです。


どの科にかかるべき?

乳首の痛みや乳房の症状を伴う場合は乳腺外科、乳首の皮膚に異常がある場合は皮膚科を受診しましょう。それでも迷った場合は、病院で相談すると良いでしょう。


受診時に伝えるべきポイント

受診時には、「チクチクする」「じんじんする」など痛みの種類を具体的に把握しておきましょう。また、いつから痛み始めたか、他に気になる症状はないかどうかも事前に確認しておくとスムーズに診察が進みます。

まとめ

乳首の痛みの原因はさまざまな種類があり、すぐ治るものもあれば大きな病気のサインである場合もあります。特に、乳がんなどの大きな病気の場合は早期発見が完治のカギになるので、痛みが気になる場合は放っておかずに、すぐ病院を受診してください。

PROFILE

【監修】吉井 友季子先生YUKIKO YOSHII

医療法人優美会理事長、吉井クリニック院長
大阪市立大学医学部卒業。H11年大阪府吹田市江坂で吉井クリニックを開院。内科、外科、婦人科疾患、健診や予防医療、美容医学に力を入れ成果をあげている。著書多数。健康・美容に関して雑誌、新聞でコメントを求められることも多い。
https://www.yoshiiclinic.jp/

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