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HEALTHCARE : 健康

DATE : 2018.11.08

胸のほくろはなぜできる?気をつけたいほくろはある?

胸にほくろができると、気になる人も多いのではないでしょうか。小さいほくろであればあまり心配する必要はありませんが、なかにはだんだん大きくなってきているなど、注意したいケースも存在します。ほくろができる理由や気をつけたい症状など、胸のほくろに関して気になる情報を皮膚科医監修のもとお伝えします。

監修:秋葉原スキンクリニック院長 堀内祐紀先生 

胸のほくろの正体は?ほくろの位置に意味はある?

突然胸にほくろができると、「何か意味があるのでは……」と考えてしまうかもしれません。ほくろができる位置にも注意したほうがよいのでしょうか。ほくろができる仕組みと併せてみていきましょう。


ほくろの正体は何?

胸のほくろに限らず、全身にできるほくろは、医学的には母斑細胞母斑(ぼはんさいぼうぼはん/色素性母斑ともいう)と呼ばれるもののひとつです。母斑細胞母斑のうち数ミリ程度の小さいものを、一般的にほくろといいます。母斑細胞という細胞が増えて集まることで黒くみえるのが、ほくろの正体です。

母斑細胞は、メラニン色素をつくるメラニン細胞が変化してできたもの。メラニン色素が沈着してできるシミとは違い、ほくろはさらに色が濃く、ときに盛り上がったかたちになることもあります。


ほくろができる位置に意味はある?

ほくろ占いなどでは、ほくろができる位置で恋愛傾向や運勢をみたりすることもあるようですね。医学的にいえば、ほくろは胸に限らずどこの皮膚にもできる可能性があるものです。そのため、ほくろができる位置にとくに大きな意味はありませんが、なかには注意したいケースもあります。

たとえば、突然縁がギザギザした不規則なものができたり、ほくろの大きさが急に大きくなったり、ほくろがじくじくとして治りにくく、出血するようになったりした場合は要注意。ほくろではなく、メラノーマ(悪性黒色腫)や基底細胞がんという病気を発症している可能性があります。メラノーマや基底細胞がんについては、後ほど詳しくお伝えします。 

ほくろの数が増えて心配……考えられる原因は?

ほくろの数が急に増えると、気になる人も多いでしょう。ほくろはどんなときに増えてしまうのでしょうか。主な要因としては、次のようなものが考えられます。


紫外線による影響

まず多いのが、紫外線の影響です。ほくろのもととなる母斑細胞は紫外線の影響を受けやすく、紫外線を浴びることで母斑細胞が増えてほくろの発生につながります。

普段は服に隠れている胸も、ビーチやプールで水着になると紫外線を浴びやすくなるため、日焼け止めなどでしっかり肌を守ることが大切です。


下着などとの摩擦

とくに胸のほくろの場合は、ブラジャーのような下着との摩擦が要因となることも考えられます。紫外線と同じく、外部刺激から肌を守ろうとして母斑細胞が活発になってしまうのです。


ホルモンバランスの乱れ

妊娠期など女性ホルモンのバランスが大きく揺れる時期は、心身にさまざまな変化が現れますが、胸のほくろもそのひとつ。妊娠中にほくろが増えたという女性もみられます。 

胸のほくろに、がんの疑いはある?

ほくろのなかにはがんが疑われるものもある……そんな話を聞いたことがあるかもしれません。胸にあるほくろが、実はがんだったという可能性はあるのでしょうか。考えられるのは、メラノーマと基底細胞がんの2つです。


メラノーマ

メラノーマは皮膚がんのひとつ。色素細胞や母斑細胞ががん化することで起こります。紫外線や外傷、靴ずれなどの刺激によって発生することも。早い段階で発見して手術を受けることがとても重要です。

とはいえ、まだ小さい段階では、通常のほくろと区別するのはなかなか難しいもの。メラノーマには次のような特徴があるので、参考にしてみましょう。なにより、気になる場合は早めに病院を受診してください。

-左右が非対称のかたちをしている。
-皮膚とほくろの境目がギザギザしている。
-色にムラがある。
-長い方向の長さが6ミリ以上ある。
-大きくなったり、色やかたち、状態が変化したりする。


基底細胞がん

初期症状として、ほくろに似た黒っぽいできものが現れる皮膚がんです。ゆっくりと進行してやがて硬いしこりになり、進行すると中央がじくじくとして陥没したり、かさぶたが繰り返しできたりします。

基底細胞がんの多くは顔や頭部に発生しますが、ほくろと勘違いしやすいがんのひとつであることを覚えておきましょう。ほくろのようなものが急に現れ、どんどん大きくなっている場合は注意が必要です。 

ほくろは除去してもいい?

さて、気になる胸のほくろですが、除去することはできるのでしょうか。その場合、どのような処置が行われるのでしょうか。


ほくろを除去しても大丈夫?

通常のほくろであれば、そのままにしていてもとくに問題はありません。ただし、がんが疑われるものは早めに取り除く必要があります。

また、最近では美容的な観点からほくろを除去するケースも多くなってきました。とはいえ、ほくろを除去できたとしても傷あとが残ってしまう可能性も考えられます。医師による診察を受けたうえで、ほくろの状態や大きさ、位置をみながら除去する方法を慎重に検討する必要があるでしょう。


ほくろの除去方法

ほくろを除去する方法としては、レーザー治療と手術の2つがあります。小さめのほくろであればレーザーで、病理検査が必要なものは手術で取り除くことが推奨されますが、あくまでもほくろの状態次第です。医師と相談のうえ、最適な方法を選びましょう。

他人からはわかりにくいとはいえ、胸のほくろの存在が気になることもあるでしょう。見た目の問題だけでなく、病気のサインとなっている可能性も考えられるため、心配なときは病院で相談することをおすすめします。

PROFILE

【監修】堀内祐紀先生YUUKI HORIUCHI

秋葉原スキンクリニック院長 
東京女子医科大学医学部医学科卒業。都内皮膚科・美容クリニックを経て、2007年に秋葉原スキンクリニックを開院。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。日本脱毛医学会理事。日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本肥満学会、日本抗加齢医学会などに所属する。ピラティススタジオ&A(https://www.akihabara-skin.com/studio-and-a/)主催。
https://www.akihabara-skin.com/

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