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HEALTHCARE : 健康

DATE : 2020.03.05

気付いたら黒ずみが…胸の色素沈着ってどうケアすればいいの?

着替えやお風呂の時にふと胸を見ると、黒ずみがあって落ち込んだ…という経験をお持ちの方は、意外と多いのではないでしょうか。皮膚の黒ずみの正体は、皮膚で作られたメラニン色素が肌に沈着することです。では、気になる胸の黒ずみは、どうして起こってしまうのでしょうか。この記事では医師監修のもと、皮膚の黒ずみの原因となる色素沈着のメカニズムや原因、胸の黒ずみの予防法やケア方法について解説します。

監修:医療法人優美会理事長、吉井クリニック院長 吉井友季子先生

胸の黒ずみの正体は色素沈着。そもそも色素沈着とは?

胸の黒ずみの原因にもなる色素沈着とは、そもそもどのようなものなのでしょうか。ここでは、色素沈着のメカニズムや原因について解説します。


色素沈着とは

色素沈着とは、メラニン色素が皮膚に蓄積され、その部分が黒っぽく見えることを言います。メラニン色素は、強くこするなどの摩擦や紫外線を浴びるといった刺激を受けると、肌を守るために皮膚の中で作られます。通常は肌のターンオーバーとともに消えていきますが、加齢やホルモンバランスの乱れなどが原因でターンオーバーがうまくいかなくなると、メラニン色素が沈着して黒ずみが起こってしまうのです。また、かぶれなどで肌に炎症が起こると、そのあとに色素沈着が起こりやすくなります。



色素沈着の原因

肌に負担のかかるマッサージなどによる刺激

強めのマッサージやナイロン製のタオルでのゴシゴシ洗い、合成繊維でできた下着の着用など、肌に刺激や負担を与えることでメラニン色素が作られ、色素沈着の原因になることがあります。

肌に合わない化粧品の使用

肌に合わない化粧品を使ったことで皮膚が炎症を起こし、その刺激でメラニン色素が作られて色素沈着につながるパターンです。かゆみや赤みなど皮膚に異常を感じたら、その化粧品の使用は控えましょう。

ニキビやかきすぎによる炎症

顔や胸にできたニキビが気になって触りすぎたりつぶしたりしてしまうと、こちらも炎症がもとでメラニン色素が過度に作られ、色素沈着の原因になります。同様に、かゆいところをかきすぎたり、下着にあたるところが赤くかぶれたのを放置したりすると、黒ずみがひどくなることがあります。


色素沈着の主な原因は、肌への摩擦や刺激と、かぶれや蒸れなどによる炎症です。特に注意が必要なのは炎症で、炎症が長引くほど色素沈着の程度がひどくなるため、かゆみ、赤みなどがある場合は、すぐに医療機関を受診して治療しましょう。

胸の黒ずみが気になる…黒ずみができてしまうのはなぜ?

色素沈着のメカニズムを踏まえつつ、次は「胸の黒ずみ」の原因について解説します。




胸の黒ずみの原因

胸の黒ずみの原因は、主にブラジャーのサイズが合っていないことで生じる摩擦や刺激です。ブラジャーが大きすぎるとストラップやベルトが動いて肌をこすってしまい、メラニン色素が余分に作られてしまいます。逆にブラジャーが小さすぎると胸全体を圧迫するので、その刺激が色素沈着のもとになることもあります。

また、サイズが合っていてもワイヤーやストラップのタイプによっては黒ずみの原因になることも。ワイヤーが痛いなど刺激を感じる場合はワイヤーのないブラジャーを、ストラップが細くて肌に食い込む感覚がある場合はストラップが太めのブラジャーを選ぶと良いでしょう。

さらに、ブラジャーの素材によっては肌への負担が大きく、摩擦や蒸れからかぶれなどの炎症が起こることがあります。かゆみや赤みがある場合は、まずは炎症の治療をすることが大切です。そのうえで下着も肌に刺激の少ない素材や肌への負担が少ないデザインのものに変えてみましょう。

ブラジャーを買う際には、サイズはもちろん、ストラップのタイプやワイヤーの有無、肌触りの良い素材はどれかなど、店頭で店員さんに相談しながら購入するとより安心です。

胸の黒ずみをなんとかしたい!その対策について

ここでは胸の黒ずみを予防する方法や、黒ずみができてしまった場合に必要なケアについて解説します。


胸の黒ずみの予防方法

ブラジャーのサイズや素材を見直す

ブラジャーのサイズが合っているかはもちろん、肩にあたるストラップや脇から背中にあたるベルトもちょうどいい長さや太さになっているかなどを見直してみましょう。素材は綿やシルクを選ぶと、刺激が少なく肌にも食い込みにくくなります。

ブラジャーを着用する前に保湿ケアをする

乾燥した肌は表面の角質がはがれて刺激を受けやすくなり、メラニン色素が作られやすくなってしまいます。そこで、ブラジャーを着ける前に保湿ケアをするのもおすすめです。特に肌の水分量が急激に減っていくお風呂上がりは、すぐクリームなどで保湿ケアを行いましょう。

肌の刺激となるマッサージやケアは避ける

強めのマッサージやナイロンタオルによるゴシゴシ洗いなど、肌に強い刺激を与えることは避けるようにしましょう。ムダ毛の処理をする場合も、カミソリや毛抜きは極力避け、電気シェーバーなど肌への負担が少ない方法を選ぶと良いでしょう。


できてしまった黒ずみのケア方法

クリームなどで保湿ケアを続ける

乾燥した肌は摩擦や刺激に弱い状態になり、炎症が起きやすくなってしまいます。肌を守るためにも、クリームなどで保湿ケアを続けることを心がけましょう。黒ずみが気になる乳首なども、クリームなどで優しくケアを続けていれば、次第に改善がみられるでしょう。特に乳首はデリケートな部分なので、ボディスクラブなどを無理に使うとかえって炎症を引き起こしてしまうことも。美容クリニックでは、炎症がなく黒ずみだけが気になるという場合には、保湿効果があり刺激の少ない美白クリームなどで対処することもあります。




肌のターンオーバーを促進する

肌のターンオーバーを正常に保つためには、規則正しい生活や栄養バランスの良い食生活を心がけることも大切です。また、睡眠不足を避けたり、ストレスを解消したりすることも、ターンオーバーの促進・正常化に役立ちます。

医師に相談する

さまざまなケアを試しても黒ずみが治らない、黒ずみの範囲が広いなどの場合は、医師に相談する方法もあります。美容クリニックを受診し、処方された塗り薬や内服薬を正しく使うことで症状が改善することも。処方薬を使用する際は、医師の指示をしっかりと守りましょう。


肌の黒ずみの原因は色素沈着で、肌への刺激や皮膚の炎症、ターンオーバーの乱れによって生じます。特に胸の黒ずみの原因は、合わないブラジャーの着用であることが多いようです。胸の黒ずみを予防するためには、ブラジャーのサイズを見直す、着用前に保湿するなどのケアが重要です。もし黒ずみができてしまったら、肌の保湿ケアや生活習慣の見直しをしましょう。肌の正常なターンオーバーを目指して生活を改善すれば、健康や美容にも良い影響が期待できます。また、黒ずみを予防し、悪化させないためには、肌の炎症を長引かせないことも重要です。かゆみや赤みがある時は、すぐに皮膚科などの医療機関を受診してくださいね。

PROFILE

【監修】吉井友季子YUKIKO YOSHII

医療法人優美会理事長、吉井クリニック院長
大阪市立大学医学部卒業。H11年大阪府吹田市江坂で吉井クリニックを開院。内科、外科、婦人科疾患、健診や予防医療、美容医学に力を入れ成果をあげている。著書多数。健康・美容に関して雑誌、新聞でコメントを求められることも多い。
https://www.yoshiiclinic.jp/

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