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DATE : 2020.02.18

原因はストレス?病気?胸の痛みの原因と気をつけておきたい病気

急に締めつけられるように胸が痛くなったり、違和感を感じたりすることはありませんか?胸の痛みはストレスから起こる場合もありますし、病気のサインである可能性もあります。この記事では医師監修のもと、胸の痛みの症状例や原因、考えられる病気や対処法・予防策などを解説します。

監修:医療法人優美会理事長、吉井クリニック院長 吉井友季子先生

ストレス溜めすぎ…?気になる、こんな胸の痛み

胸の痛みには、さまざまな種類があります。冷や汗が伴うものや、締めつけられるような痛み、動いたときに胸に違和感を感じるような痛みなどが一例です。圧迫されるような痛みと同時に、息切れが起こることもあります。こうした胸の痛みはさまざまな原因によって起こっており、場合によっては病気のサインとして表れていることもあります。

ストレスかな?と軽く考えずに、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。医師の診察を受けるときも「どのように痛むのか」を説明できると安心ですね。

胸の痛みの原因とは?考えられる病気について

では、胸の痛みの原因はどのようなものが考えられるのでしょうか。胸の痛みの要因となりうる生活習慣や、症状として胸の痛みが出ることがある病気について解説します。


胸の痛みの要因となりうる日常生活の習慣など

・過度なストレス

精神的負荷がかかりすぎると、身体症状として胸の痛みが出ることがあります。痛みの原因は分かっていませんが、心臓の動きに支障が出るためとも言われています。

・乱れた食生活、運動不足

食生活が乱れたり運動不足の状態が続いたりすると動脈硬化につながり、血液が流れにくくなるため、心臓に負担がかかって胸が痛むことがあります。また、免疫力の低下から肺の疾患にかかり痛みが出ることも。

・喫煙の習慣

たばこの煙に含まれるタールは肺や気管支の炎症を、ニコチンは血圧や脈拍の上昇をうながす効果があり、胸の痛みにつながることがあります。さらに喫煙は血管の老化を促進するため、心臓病や循環器系の疾患を引き起こす危険因子としてもよく知られています。

・肥満による内臓脂肪の増加

内臓脂肪が増えすぎると血圧の上昇やコレステロールの血管への沈着により、動脈硬化につながって胸が痛むことがあります。

・過度な運動などによる筋肉の痛み、疲労骨折

筋肉痛も胸の痛みの原因のひとつですが、この痛みは特に心配いりません。しかし、過度なマッサージや、激しいスポーツ、風邪によるせきのしすぎなどで肋骨が疲労骨折すると、激しい胸の痛みを感じることがあります。


考えられる病気の例

・狭心症

動脈硬化で血管が狭くなり、心臓に血液を送りにくくなる病気です。心臓に負担がかかると酸素が不足し、胸が締めつけられるような痛みや息苦しさが起こります。

・心筋梗塞

心臓の筋肉に血液を送る冠動脈が動脈硬化を起こし、狭くなった血管に血栓が詰まって血流が止まることで起こります。血流が止まると激痛が起こり、吐き気や冷や汗を伴うことも。痛みを放置しておくと死に至る場合もあるので注意が必要です。

・解離性大動脈瘤

動脈硬化が主な原因で大動脈の壁にひびが入り、血管の壁が裂ける病気です。激痛が起こり、全身にうまく血が回らなくなるため、けいれんや腹痛、失神などが起こることもあります。痛みは胸から背中、腰へと広がります。

・心膜炎

心臓を包む心膜(しんまく)がウイルスなどに感染して炎症を起こし、心臓のあたりに鋭い痛みを感じます。深呼吸やせきをしたときや、体の左側を下にして横たわるとより強い痛みを感じるのが特徴です。

・心臓神経症

ストレス過多、過労など心の状態が原因で痛みを感じる病気です。心臓に異常がなくてもチクチクとした痛みが感じられ、動悸や息切れなどの症状を併発することもあります。

・肺炎

肺にウイルスなどが感染して炎症を起こし、強い胸の痛みや高熱、呼吸困難を起こすことがあります。風邪が悪化して起こることが大半です。

・自然気胸

肺の中にできる空気の溜まった袋が破れ、肺に穴が開くことで胸に強い痛みを感じます。呼吸が難しくなり、結果的に死に至ることもあるので早急な対処が必要です。

日常的に胸の痛みが気になったら…


では、もし胸の痛みが気になったときはどのように対処すればよいのでしょうか。

まず、突然激しい胸の痛みに襲われたときは、我慢せず一刻も早く救急車を呼びましょう。上記のような疾患にかかっている可能性があります。

日常的に胸がくり返し痛むという場合は、長引かせないためにも病院で診察を受けましょう。休んでいれば治る痛みでも再発や悪化の恐れがあるので、気になったら早めに受診することをおすすめします。

胸の痛みを予防するには日常生活の見直しから!


できれば普段から胸の痛みとは無縁でいたいものです。胸の痛みが起きないよう、以下で日常生活の中でできる予防策について解説します。

胸の痛みの予防策としては、まず深刻な病気の原因になる動脈硬化を防ぐために生活習慣を見直すことが重要です。

・タールやニコチンの含まれるタバコを吸わないようにする
・休養や運動を取り入れてストレスを溜めないようにする
・塩分・糖分・脂質を控え、ゆっくり食べるなど食生活を見直す
・心臓に負担がかかりすぎない程度の運動を定期的に行う

こうした対策で、胸の痛みを引き起こす病気の要因となる動脈硬化を予防することができます。

また、急激な寒暖差に気をつけることも大切です。温かい部屋から冷たいお風呂場など、急に温度差がある場所に行くと血管が収縮して血圧が上がり、胸の痛みにつながることがあるからです。冬は適度に暖房をつける、猛暑日には外出を避ける等、寒暖差に注意して暮らすと良いでしょう。

まとめ

筋肉痛などの特に心配のないものから、心筋梗塞や自然気胸など死の危険があるものまで、胸の痛みの原因にはさまざまなものがあります。病気につながることのないよう、普段から健康な生活を心がけ、もし胸の痛みを感じたら早めに病院を受診しましょう。

PROFILE

【監修】吉井 友季子先生YUKIKO YOSHII

医療法人優美会理事長、吉井クリニック院長
大阪市立大学医学部卒業。H11年大阪府吹田市江坂で吉井クリニックを開院。内科、外科、婦人科疾患、健診や予防医療、美容医学に力を入れ成果をあげている。著書多数。健康・美容に関して雑誌、新聞でコメントを求められることも多い。
https://www.yoshiiclinic.jp/

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