HEALTHCARE : 健康
DATE : 2018.08.06
乳がんについての最新情報
誰にとっても他人事ではない乳がん。では、実際にどれくらいの人が乳がんにかかり、
どんな治療を受けているのでしょうか。乳がんを防ぐためにできることも、あわせてご紹介します。
1.日本人女性の11人に1人が乳がんになる時代です
2.年間1万人以上が、乳がんによって命を落としています
3.「個別化医療(Precision Medicine)」という考え方が広がっています
4.乳がんを防ぐために気をつけたいこと
①食事を見直す
乳がんを防ぐための食生活の基本は、カロリーや脂肪のとりすぎを控え、栄養バランスのとれた食事をとること。タンパク質が豊富な主菜に、食物繊維たっぷりの副菜、そして主食と汁物を合わせると、栄養バランスが整いやすくなります。1日3食を規則正しくとり、一口ずつよく噛んで、食べすぎによる肥満を防ぎましょう。ちなみに、乳がんの女性が増えている要因の一つに、閉経後の肥満があります。
②運動習慣をつける
運動をすることは、あらゆる病気のリスクを下げることに加え、女性ホルモンをはじめとしたホルモンのバランスにもプラスの働きがあります。長く続けることが大切なので、無理をせず、ひと駅分歩いてみたり、エレベーターやエスカレータではなくときには階段を使ってみたりすることから始めましょう。運動が得意な人へのおすすめは、ウォーキングや水泳などの有酸素運動。週3回、1回あたり30分くらいが目安です。そして、筋肉量を保つことも大切。基礎代謝量を上げることで肥満防止につながるのはもちろん、正しい姿勢の維持や転倒予防にも役に立つので、乳がん予防だけでなく年齢を重ねても美しく元気でいるための大きなカギとなります。
5.乳がんの治療法は進化を続けています
また、乳がんとひとくちにいっても、性質(サブタイプや増殖能、遺伝子情報など)によっていくつもの種類があり、それぞれのタイプに対しどんな薬が効果的なのか明らかになってきました。
特に早期の乳がんであれば、乳がんの種類に加え、ひとりひとりのライフスタイルや価値観にあわせて手術方法も選べるようになり、乳がんを取り巻く環境は、この数年で大きく変わってきています。
現在行われている基本的な治療法
乳房への局所治療と、全身治療を組み合わせて行うのが基本。局所療法では「手術」、あるいは「手術」と「放射線療法」を組み合わせて行います。全身治療では、主に薬物療法、抗がん剤や女性ホルモンを抑えるホルモン療法、分子標的療法が行われます。
手術は、がんの進み具合やしこりの位置などによって、乳房の一部だけを切除するか、乳房をすべて切除するかが選択されます。手術で切り取る範囲を少なくするために、手術前に薬物療法を行い薬で腫瘍を小さくしてから手術を行うこともあります。また、腫瘍のみを切除し正常部分の乳房を残す手術(温存手術)の場合は、腫瘍があった側の残りの正常乳房からがんが再発することを防ぐために温存した側の乳房に術後に放射線療法を行うのが一般的です。
6.これからの新しい治療方法
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1:乳房の再建
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2:放射線治療
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3:低侵襲治療
PROFILE
【監修】島田菜穂子先生NAOKO SHIMADA
ピンクリボン ブレストケアクリニック表参道 院長。
1986年筑波大学卒業後、筑波大学附属病院、東京逓信病院勤務、同院で1992年乳腺外来を開設、1999年米国ワシントン大学ブレストヘルスセンター留学を経て2008年ピンクリボン ブレストケアクリニック表参道を開院。2000年乳房健康研究会を発足し、乳がん啓発団体として日本初のNPO認証を受けピンクリボン運動を推進。日本医学放射線学会放射線科専門医、日本乳癌学会乳腺専門医、日本がん検診診断学会認定医、日本スポーツ協会認定スポーツドクターなどの資格を持つ。