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MONEY : お金

DATE : 2023.10.31

vol.2 スキルアップ、住宅、出産・子育て……「夢を叶えるために、行政からお金をもらえる制度」があるって知ってる?

実は国や市区町村などの自治体には、私たちの暮らしを支援してくれるさまざまな制度があることを知っていますか?賢く利用すれば、あなたもサポートを受けられるかもしれません。 「20代・30代の貯蓄事情と、お金の貯め方」についてお話しした前回に引き続き、FP風呂内さんに、知っておきたいサポート制度や、お得な情報を見逃さないコツなどを教えてもらいました。

今回教えてくれるのは……

ファイナンシャルプランナー
風呂内 亜矢(ふろうち あや)さん


初心者にもわかりやすいお金の話と、明るく優しい人柄で、テレビ・雑誌・Webでひっぱりだこ。20代のとき、貯蓄80万円で新築マンションを購入したことをきっかけにお金について学び始め、FP資格を取得したという異色の経歴の持ち主。最新書籍「超ど素人がはじめる資産運用 第2版」(翔泳社)。
ファイナンシャルプランナー風呂内亜矢オフィシャルサイト 

税金も社会保険料もムダじゃない!サポート制度を賢く使おう



私たちが毎月納めている税金や社会保険料。その一部が、国や自治体が提供する“国民のためのサポート”に使われていることは知っていても、自分はその対象外だと思っていませんか?「高い税金や社会保険料を納めているのに、行政はなにもしてくれない」と感じているなら、ちょっともったいないことをしているかもしれません。

国や自治体が提供するサポートの種類はさまざまで、例えば資格を取得してキャリアアップしたり、引っ越しをしたり、子どもを産み育てたりという場面で金銭的に支援するサポートがあり、あなたもその対象になる可能性があるんです。 国や自治体によるサポートを有効活用することは、賢くお金を貯めることにもつながりますよ。 

知っておきたい「スキルアップ」「住宅」「出産・子育て」に使えるサポート



大きく分けて、スキルアップ、住宅、出産・子育ての3つのジャンルで受けられるサポート制度があります。

ここでは、代表的なものをいくつかご紹介します。



【スキルアップ】

・簿記やFP、行政書士の資格取得をサポートする「一般教育訓練給付制度」

雇用保険に3年以上加入(初回の支給は雇用保険加入1年でOK)している方を対象に、資格取得のために教育訓練施設に支払った総額の20%の金額をもらえる制度です。支給額の上限は10万円となります。対象となる講座は厚生労働大臣が指定している、簿記やファイナンシャルプランナー、行政書士などです。
給付金の申請は、最寄りのハローワークで行えます。

・再就職や早期キャリア形成をサポートする「特定一般教育訓練給付制度」

雇用保険に3年以上加入(初回の支給は雇用保険加入1年でOK)している方が対象。速やかな再就職や早期キャリア形成に役立つ教育訓練において、受講費用の40%(上限20万円)が訓練終了後に支給されます。給付対象は、基本情報技術者試験や、介護職員初任者研修、大型自動車第一種免許、特定行為研修など。オンライン講座や夜間講座、土日講座もあります。
給付金の申請は、最寄りのハローワークで行えます。

・看護師や歯科衛生士、建築士などの資格取得をサポートする「専門実践教育訓練給付制度」

雇用保険に3年以上加入(初回の支給は雇用保険加入2年でOK)している方を対象に、資格取得のために教育訓練施設に支払った総額の50%の金額をもらえる制度。1年間の場合、支給額の上限は40万円です。資格取得後に規定に沿って再就職すれば、さらに費用の20%の金額をもらえます(4年間受給するなどした総支給額の上限は224万円)。対象となる講座は、看護師や歯科衛生士、建築士、理容師など。
給付金の申請は最寄りのハローワークで行えますが、一般教育訓練給付制度とは違い、講座受講前に手続きが必要なので注意しましょう。


【住宅】

・家賃をサポートする「民間賃貸住宅家賃助成制度」

自治体によって対象者は異なりますが、子育て中の世帯、高齢者や障がい者の方などが受けられる家賃サポートです。「近居支援事業」などの名称で、高齢の親世帯の近くに子育て世帯が住む際に補助が出るケースもあります。
基本的な申請窓口は、各自治体の役所の住宅課です。


【出産&子育て】

・出産費用をサポートする「出産育児一時金」

健康保険に加入している、もしくは加入者の配偶者であるお母さんを対象に、子ども1人あたり50万円がもらえます(双子の場合は倍額)。流産・死産でも、妊娠85日を過ぎていれば受給可能。申請先は加入している公的健康保険の窓口です。
※受け取り方によって、申請方法やタイミングは異なります。

・育休中の家計をサポートする「育児休業給付金」

育休を取得する雇用保険被保険者が、休暇中に給付金をもらえる制度です。支給される金額は育休の期間や給与などによって異なりますが、2023年度は、最低でも月額約4万円強、最高で約31万円がもらえます(金額は毎年8月に変わります)。ざっくりとだと、お給料の50~67%程度を日割り計算して受け取るイメージです。申請先は会社を管轄するハローワークで、会社をとおして手続きします。 

お得な情報は広報誌で効率的に集めよう!



意外に思うかもしれませんが、市区町村の公式ホームページや広報誌にはお得な情報がたくさん掲載されています。広報誌は各家庭のポストに投函されることが多いですが、届いていない場合、駅のラックや街中の掲示板をチェックしてみてください。
とくに、出産・子育て・介護・住宅取得・リフォーム・省エネなどは補助が多く、日常的に意識しておくと支援制度を見つけやすいと思います。

その年によって支援制度は変化するため、同じ自治体に長く住んでいる場合でも自分が対象になりそうなときには調べてみるのがおすすめ。支援制度の種類や手続きをすべて把握する必要はなく、「もしかしたら支援を受けられるかもしれない」と思い出し「調べてみよう」と行動できる発想を持つことが大切です。

また、マイナポータルの「ぴったりサービス」機能で検索すると、申請できる手続きがリストアップされます。自治体によって差はありますが、一度検索してみるのも良い方法です。 

企業で働く方は健康保険の支援や、労災の使い方も要チェック



意外とみなさん使っていなくてもったいないのが、会社で加入している健康保険組合が提供するサービスです。安価、もしくは無料で提携の保養所や運動施設などを利用できたり、組合によっては実家への帰省であっても旅行手当として使える場合もあったりするので、ぜひあなたが加入している組合の案内をチェックしてみてください。

また、労災(労働者災害補償保険)でも補償が受けられると知っておくことも大切。例えば、通勤中にけがをして病院にかかったときなど、本来、申請すれば労災から治療費が支給される(労災が指定する医療機関なら無料で治療を受けられます)のですが、そもそも「労災を使おう」という発想を持っている人が、あまり多くありません。

サポート制度をうまく使うためには、なにより情報を知っておくことが大切。アンテナを張って、自分に関係のある情報を逃さないようにしてくださいね。


次回はvol.3「病気や事故など、もしものときに申請すればもらえるお金」についてお話しします。

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