［Lead yourself］心が満たされるキャリアを手に入れる方法

社会や組織をリードする立場にある方とお話をするとき、私が最初にお伝えするのは「Lead yourself」という考え方です。リーダーとして周囲を牽引しなければと考えている方は多いですが、誰かをリードする以前に、まずリードすべきは自分自身。「Lead yourself」とは、自身と向き合って自分軸を見出し、整理して、起こすべきアクションや進むべき道を明らかにすることを指します。

役職や地位にかかわらず、自分をリードするのはすべての方にとって必要なことです。これから心が満たされるキャリアを手に入れるため、まず「自分軸」を明確にすることから始めましょう。

どうして自分軸が大切なの？

自分軸（図のHeartの部分）を見つけることは、「自分が真に求めているものを手に入れる」ために必要です。「誰かから求められていること（他人軸）」に従ってアクションを起こすと、成果を出せたとしても、満足感や幸せを得られないことがあります。


上の図のように、自分軸（Be）に従ってアクションを起こせば（Do）、自身に必要なものを得られます（Have）。逆に、得たいもの（Have）を先に決めて逆算すると、得たいもの自体が「真にほしいもの」ではなかったり、自分軸（Be）から逸れたアクションを起こしたりといったリスクが高まります。
真に手に入れたいキャリアを実現するには、自分軸を起点にすることが重要です。 　

自分軸を明確にするためには、先にも触れたとおり、自分の内面と向き合う必要があります。とはいっても、これが難しいと感じる方は多いはず。そんなときは次の方法を試してみてください。

　

自分軸が明確になると、次に起こすべきアクションも自ずと浮かび上がってきます。困難に陥ったり迷いが生じたりした場合でも、自分なりの選択基準が明確であれば、今後のキャリアに「一本筋を通す」ことが可能。選択を重ねる中で周囲にもその軸が伝わり、自然と協力者を引き寄せることにもつながるでしょう。

一方、自分軸を探すことは過去のキャリアの答え合わせにもなります。「当時は自分軸がよくわかっていなかったけれど、あの意思決定は間違っていなかった」といった気づきを得られることも多く、振り返ることで自分を肯定し、キャリアに自信をもてるようになります。 　

自分軸に従って行動を起こすのは素晴らしいことですが、その際、自分の意見を押し通そうとして、自分軸を「わがままを押し通す免罪符」に変えて振り回してしまう人も少なくありません。自分軸を大事にするにあたっては、人それぞれ異なる価値観をもっていること、すべての人に自分軸があることを決して忘れないでください。

自分軸を大切にする重要性に気づいた方であれば、「他人の自分軸」も同じように尊重できるはずです。なぜなら、自己理解が深まると自然と自己受容ができるようになり、同時に「一人ひとりの価値観が大切にされるべきだ」と気づくから。つまり、「他者受容」ができてはじめて、真に「Lead yourself」ができているといえます。
自分のことばかりで他者を否定したくなる場合は、まだ自己理解・自己受容が足りていないのかもしれません。

会社は何を望んでいるか、上司や同僚は何を求めているかをきちんと考えつつ、「その中でどうやって自分の大切にしていることを叶えていくか」を模索することが適切なアクションのあり方です。意見を押しつけるのではなく、周囲の人々と協力し、理想の状態を創り出すことを意識してください。 　

ご紹介した方法を実践してもなかなか理想像をイメージできないときは、「望まないこと」を整理するのもおすすめです。脳の仕組みとして「どうなりたいかを考えること」が得意なタイプと、「望まないものを取り除くこと」が得意なタイプがいるので、自分に合った方法で理解を深めましょう。
そうやって自己を理解し、他者を受容して、「Lead yourself」で理想のキャリアを築いてください。