HEALTHCARE : 健康
DATE : 2023.05.11
肩こり、だるさ、気分が浮かない……その不調、もしかして「プレ更年期」かも?
30代半ばを迎えた頃から、なんとなく不調が続いている……そんな悩みを抱えている女性は少なくありません。症状のせいで気持ちよく毎日を過ごせない、予定をこなせるか不安がつきまとう。そんな方は、いわゆる「プレ更年期」の可能性があります。
今回は、プレ更年期について、その特徴や付き合い方をご紹介します。健やかで自分らしい毎日のために、この機会にぜひ自身の体について考えてみませんか?
今回教えてくれるのは……
「プレ更年期」とは
意外に思われるかもしれませんが、「プレ更年期」という言葉は医学的な用語ではなく、明確な定義はありません。更年期(閉経年齢:平均50.5歳を起点にした前後5年間、合計10年間)に入る前に、更年期症状に似た心身の不調が起こる方が一定数いることから、巷でその期間が「プレ更年期」と呼ばれるようになったようです。
プレ更年期と更年期の最大の違いは、女性ホルモン量の変動の有無。更年期には女性ホルモンの急激な減少と揺らぎによってさまざまな症状が現れますが、プレ更年期といわれる期間には、ホルモン値に変化は見られません。
▼「更年期」についての詳細はこちら
https://wwwsp.himawari-life.co.jp/linkxpink/healthcare/3359/
「プレ更年期」チェックリスト
「プレ更年期」と「更年期」を見分ける方法
先にお伝えしたとおり、プレ更年期と更年期に現れやすい不調はとても似ています。また、30代半ば~40代半ばに閉経を迎える方も一定数いらっしゃることから、自身で違いを見分けるのは難しいものです。
しかし、不調の原因がわからないと、適切な対処ができません。そのため、不調を感じた際は、まず婦人科を受診することをおすすめします。血液検査を受ければ、更年期に伴う不調かどうかホルモン値を測ることが可能です。また、不調の原因として、うつ病や甲状腺機能の異常、高血圧など、早期に治療が必要な病気が隠れている可能性も。診察や検査を受けて、まずは自身の体の状態をきちんと確認しましょう。
「プレ更年期」に更年期症状に似た不調が出るのはなぜ?
プレ更年期では、更年期のように女性ホルモンが急に減少することはなく、分泌量は20代と大きくは変わりません。では、どうして更年期に似た症状を感じる方がいるのでしょうか?原因としては、体の衰えやライフステージの変化など、負担となる要因が重なることが考えられます。
① 体力や視力の衰え
② 環境の変化
例)職場で役職が変わる、パートナーが単身赴任になる
③ 将来への不安
例)育児や介護の負担に対する不安
上手な「プレ更年期」との付き合い方
更年期症状に似た不調を感じるけれど、誰に相談したらわからない……という場合は、迷わず婦人科を受診してください。必要に応じて他の診療科への紹介も受けられます。
・問診、カウンセリング
医師と話をする中で、つらさを理解してもらうことで気持ちがラクになったり、自分では気づけていなかった負担が見えてきたりすることもあります。
・検査
血圧測定、血液検査、心理テストなど客観的な数値を確認することができます。
・漢方薬の処方
冷えの改善や血の巡りを促す薬、自律神経を整える薬など、体質に応じた漢方薬の処方を受けられます。
・症状を悪化させない、悪循環を断ち切るための薬の処方
睡眠導入剤の一時的な活用をはじめ、症状の改善、健やかなリズムをつくることを助ける薬の処方を受けられます。
そして、病気ではなく「プレ更年期の症状」であることがわかったら、症状と上手に付き合っていくための工夫が大切です。具体的には、以下のようなことを心がけてみてください。
・必要に応じてサプリメントも活用し、栄養バランスに配慮する
・家族や友人など、人との会話を楽しみながら食事をとる
・パートナーや家族とのコミュニケーションを増やす
・喫煙者の場合は禁煙に取り組む
・適度な運動を習慣的に行う
・好きなことに没頭する時間をつくる(リラックスできる時間をつくる)
・環境や時間の許す範囲で「プチ贅沢」をしてみる
・日頃から自分を褒めることを心がける
プレ更年期の症状を感じやすい方は、やがて訪れる更年期の症状も感じやすい傾向にあります。ぜひ早いうちから、自分と向き合い、慈しむ習慣をもつようにしてください。
婦人科はすべての女性の応援者。積極的に活用を
婦人科というのは「妊娠・出産を希望する人が通う場所」と認識していらっしゃる方はまだまだ多いことでしょう。しかし、婦人科はすべての女性をサポートする診療科です。年齢や不調の内容を問わず、“女性ならでは”の悩みを抱えたときは、ぜひ気軽に受診してみてください。
プレ更年期にあたる年代にかかりつけの婦人科を見つけておけば、更年期を迎えるにあたっても、「応援者」がいる心強さを感じられるはず。ぜひ婦人科を味方につけて、そして自分の健康と向き合うスキルを磨いて、楽しく年齢を重ねていきましょう。