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DATE : 2024.07.02

【これがはじめの一歩】新NISAで今あるお金を増やそう

最近そこかしこで耳にする「新NISA」。興味はあるけれど、どんな制度かわからないし、「投資」に対する漠然とした怖さもある……。そんな方に向けて今回、数多くの女性の資産形成をサポートしているファイナンシャルプランナー・高山さんがレクチャー。新NISA制度でお金を増やすための「基本の“き”」をお伝えします。

今回教えてくれるのは……

取材・監修:ファイナンシャルプランナー(CFP®)/1級FP技能士
高山 一惠(たかやま かずえ)さん


株式会社Money&You 取締役。慶應義塾大学卒業後、2005年に女性向けFPオフィス 株式会社エフピーウーマンを設立し10年にわたって取締役を務めた後に現職へ。明るく親しみやすい性格を活かした解説や講演に定評があり、講演や執筆活動・相談業務を通じて女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。著書に『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版) など。
https://moneyandyou.jp/  

みんな新NISAを始めてるって本当? 私たちに投資が必要な理由


給料が上がらない、インフレは止まらない、金利が低く預貯金ではお金が増えない、少子高齢化で社会保障は乏しくなる見込み……。
不安の多い今の時代、計画的な資産形成の重要性がますます高まっています。「金利は低いけれど、銀行口座にお金を貯めていれば大丈夫」という時代は一昔前のこと。今後は貯蓄だけではお金が足りなくなる可能性が高いのです。

そこで注目されているのが、投資。
特に女性には、投資で資産を増やしてほしいと考えています。

なぜなら、女性は男性より平均寿命が長いから。独身の方に限らず、既婚者も多くの場合「老後ひとりで生き抜かねばならない期間」があります。また、結婚・出産・親の介護などのイベントに伴うライフプランの変動も、女性の方が大きい傾向にあるのが今の日本の現実です。十分な資産があれば、人生の選択肢を増やすことにもつながります。


そもそも「投資」ってなに?

投資とは、成長する資産に利益を見込んでお金を投じること。「投じる先(金融商品)」には、企業の株式や投資信託(投じたお金をプロが運用して利益を出し、還元を受ける)、債券、不動産などがあります。
投資はお金を増やすのに有効な手段ですが、金融機関にお金を預けて利息を得る「預貯金」とは違い、元本が保証されません。ただし、投資にもリスクの高低があり、安定的な運用を目指せるものもあります。


NISAで投資を始める人はどんどん増えている!

NISA口座の開設数は、旧NISA制度がスタートした2014年は500万程度だったのに対し、2024年2月末には約1,400万口座に増加。その内訳にも変化があり、NISA制度がスタートしてしばらくは50代以上の方が多かったのが、今では30代、40代の方が上回りました。20代も含め、投資をする若い世代が著しく増えています。  

ここだけ押さえておけばOK! 新NISAの基本


NISA(少額投資非課税制度)とは、投資によって得た利益が非課税になる制度です。NISAを利用せずに投資した場合、利益に対して20.315%の税金がかかります。仮に100万円の利益が出てもNISAを利用しなければ約20万円の税金がかかりますが、NISAなら利益の100万円を丸ごと手に入れられます。

そんなNISAは2024年に改正され、「新NISA」として生まれ変わりました。初心者さんに押さえてほしい変更点は、以下の2つです。

【変更点1】非課税で投資できる期間が無期限に
旧NISAの一般NISAでは非課税になるのは5年間、つみたてNISAでは20年間だけでしたが、改正により期限がなくなりました。

【変更点2】保有商品を売却した場合、非課税枠が復活する
非課税で商品を保有できる金額には制限があり(非課税枠といいます)、旧NISAでは商品を売却してもその分の枠を再利用できませんでしたが、新NISAでは売却の翌年から可能に。これにより、必要に応じて商品を売却(お金を引き出す)しながら、一生付き合える制度になりました。


NISAとiDeCoの違いは?

NISAと並べて紹介されることが多いiDeCo(イデコ)ですが、その性質は異なります。
簡単にいうとiDeCoは「自分で年金をつくる制度」で、投資したお金(掛金)は基本的に60歳まで引き出せません。また、NISAは証券会社によっては100円から投資できるのに対し、iDeCoの最低掛金は5,000円から。さらに、iDeCoは初回手続きや毎月の継続に手数料がかかります。

これをふまえると、老後資金を貯めるならiDeCo、必要に応じてお金を引き出しながら資産形成するならNISAを選ぶといいでしょう。ライフプランが固まっていない若い世代は、NISAの方が始めやすい場合が多いですね。
ただし、iDeCoは掛金が全額所得控除になるため、NISAより節税効果は大きいです。可能な限り早いタイミングで、NISAと併用するのがベストですよ。  

新NISAスタートにあたり初心者さんが注意したいポイント


NISAを利用した投資を始めるには、大きく分けて
(1)金融機関を選ぶ
(2)口座を開設する
(3)商品を購入する
の3つのステップがあります。初心者さんが各ステップで意識したいポイントは、以下のとおりです。


POINT 1 金融機関選び&口座開設では、サポート体制に注目!

「新NISAを始めるなら、商品の品ぞろえが豊富で手数料も安いネット証券がいい」という情報を耳にしたことがある方は多いはず。ほかにも、特定のポイントプログラムでポイントが付与されるといったメリットもあり、人気が高いのは事実です。

しかし、ネット証券は実店舗がないため、対面サポートは受けられません。初心者さんの場合、特に口座開設時に金融用語がわからずつまずいてしまう方が多いので、サポートが手薄だとなかなか進まないことも。ネット証券を選ぶ場合も、電話によるサポートの有無を確認しておくといいですよ。


POINT 2 購入商品は「つみたて投資枠」の中から選ぼう

初心者さんが商品を購入する際は、よりリスクが低い「つみたて投資枠」の中から選んでみてください。つみたて投資枠で購入できる商品は、金融庁の基準をクリアした“長期の資産形成に向いている商品”のみがラインアップされていますので、初心者の方でも安心です。
つみたて投資枠から具体的な商品を選ぶにあたっては、各金融機関の人気ランキングを参考にしてOK。つみたて投資枠でラインアップされている商品の手数料は安いので、金融機関もつみたて投資枠の商品の手数料で多くの利益を出そうとは基本的に考えていません。深読みしなくても大丈夫です。

さらに安定性を重視したい方は、世界のさまざまな資産や地域に投資する「バランス型の投資信託」がおすすめ。国や商品(株や債券など)を分散すれば、市場の暴落が起きたときでも、資産全体のダメージは低くなります。  

情報に不安を感じたら発信元を確認


YouTubeやSNSで投資に関する情報を発信している方が多くいらっしゃいます。しかし、その情報は見極めが必要です。たとえば、「投資を始めたばかりの素人の方」と「キャリアの長い金融のプロ」とでは、やはり知識に差があるでしょう。また、理想とする投資のあり方や社会情勢の予測など、考えには個人差があるので、幅広く情報を集めることも重要。
「この情報を信じていいのかな?」と感じたときは、ぜひ情報の発信元を確認してください。近年は金融庁も情報発信に力を入れており、YouTubeで動画を公開もしています。

なお、安定的な投資の基本は「長期・積立・分散投資」。幅広く分散された商品を長い期間をかけて、毎月一定額、淡々と投資し続けるのが重要です。一時的に元本割れしても慌てず、そのときどきの情報に振り回されることなく投資を続けましょう。  

まずは月1,000円からでも始めてみよう

投資についてはよくわからないから……と、最初の一歩を踏み出せない方は多いですが、それは大変もったいないこと。とにかく始めて、やりながら学ぶのがおすすめです。新NISAは投資する商品も金融機関も後から変更できるので、まずは月1,000円からでも始めてみてください。生活に支障が出ない少額からスタートすれば大きなリスクにもつながりません。
「自分の人生は自分の力で生きていく」意識が必要なこれからの時代、ぜひ新NISAを活用した資産形成にチャレンジしてもらえたらと思います。

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