PROJECT01━YUKO NAKAGAWA

商品とサービスの開発に挑戦。
「健康応援企業」として
新しい価値を生み出し、
社会課題の解決に貢献したい。

YUKO NAKAGAWA中川 ゆう子執行役員 事業企画部長 2016年入社

外資系のIT関係会社に15年間勤務し、商品・サービスの開発・企画運用・マーケティング・新規ビジネスの開発に従事。その経験を活かし、2016年に中途入社。

INTRODUCTION

SOMPOひまわり生命は、経営方針に「健康応援企業」を目指すことを打ち出した。保険本来の機能に健康を応援する機能を組み合わせ、従来にない新しい価値「保険+健康=Insurhealth®(インシュアヘルス)」を提供しようというものである。この方針を具体的な商品とサービスに展開していくため、さまざまなプロジェクトチームが結成された。生命保険会社として、前例のない挑戦が始まったのである。

STORY01

学術論文を踏まえ、
業界で初めてMCIに着目した
保険商品を開発。

生命保険会社の本来の役割は万が一に備えた商品の開発・提供である。だが、高齢化が進み健康寿命と本来の寿命との差に10年あることが注目されると、「健康で長生きすること」が社会課題となった。「健康応援企業」を掲げる生命保険会社として、SOMPOひまわり生命には何ができるのか。着目したのが、認知症に関する取り組みである。「私たちは、認知症の一歩手前であるMCI(軽度認知障害)という状態に注目しました。MCIと診断されてからでも、生活習慣の見直しや脳機能の強化などに取り組むことで、認知症の発症を防いだり、遅らせたりすることができるという研究成果があり、認知症予防の観点から非常に重要であると考えました」中川はこう話す。Insurhealth®に関する商品やサービスを開発していくにあたり、さまざまなプロジェクトチームが結成されたが、各プロジェクトのとりまとめ役を担ったのが事業企画部長の中川だ。

このプロジェクトは、MCIと診断された時点で一時金をお支払いすることで、早期発見に貢献し、認知機能低下の予防や認知症の発症を遅らせることを目指した。まさに「健康応援企業」の経営方針に沿ったものであった。単なる保険商品だけではなく、日頃からお客さまの健康生活そのものをサポートするサービスを提供したい。そのために必要なものは何なのか。中川はプロジェクトチームのメンバーとともに、必死でリサーチを続けていた。

STORY02

シリコンバレーの
スタートアップ企業と業務提携して、
サービスを開発。

中川たちは、SOMPOホールディングスのデジタル戦略部に目を付けた。同部は米国シリコンバレーにラボを置いており、世界最先端のIT情報に精通している。そこから認知症に関連するITサービスを選定し、シリコンバレーのスタートアップ企業「ニューロトラック社」が開発した技術に着目した。目の動きから認知機能低下の予兆を把握するサービスが、自社のプロジェクトに適していると考えたのである。
「ニューロトラック社のCEOと何度も折衝し、ビジョンを共有できるか入念に確認しました。国も企業文化も違う中で共同作業をしていくためには、ビジョンの共有がとても重要です。結果、日本でサービスを展開するために、彼らの技術をベースにしたアプリを共同で開発することになりました」と中川は語る。

保険の商品開発には、引き受け部門や支払い部門、営業などさまざまな関連部署の意見を取りまとめ、さらに金融庁の認可を得なければならない。こうした努力を経て、2018年10月に、業界初となるMCIを保障する健康応援型商品「笑顔をまもる認知症保険」を発売した。同商品は「2020年 オリコン顧客満足度調査」および、雑誌「日経トレンディ 2019年5月号」において、保険ランキング認知症保険部門1位に輝くなど、旋風を巻き起こした。
一方、ニューロトラック社とのサービス開発も進み、2020年1月、認知機能低下に関するリスクを早期に発見し、改善・維持を支援するアプリ「ニューロトラック 脳ケア」のサービスを開始した。

STORY03

お客さまから、
喜びの声が
続々と届いている。

「ニューロトラック 脳ケア」の大きな利点は、スマートフォンで手軽に使えることだ。ニューロトラック社の技術は、フィンランドで行われた「高齢者の生活習慣への介入による認知機能障害予防の研究」をもとに開発されている。SOMPOグループ各社の社員や家族など、700名に実証実験に参加してもらうことで、日本のサービスに最適化していった。

「今までにない新しい価値を創り出すことができたという手応えを感じました。『将来の安心材料が増えた』『保険がきっかけで生活習慣が変わった』など、お客さまから喜びの声が届いています。営業現場でも『認知機能のレベルを試してみませんか』というように、ゲーム感覚でお話ししやすいと好評です」と中川は話す。

もちろん、中川たちの挑戦はこれで終わりではない。商品・サービス共に、改善を重ねていく必要がある。Insurhealth®のコンセプトに基づいた商品は「笑顔をまもる認知症保険」が3つ目で、新しい商品・サービスの開発は現在進行形で続いている。今年度、生活習慣病の重症化予防の取り組みを応援する新たな医療保険のリリースとともに、顔の静脈からストレスレベルを把握でき、健康診断結果を分析して生活習慣病のリスクを算出するアプリ「リンククロス 健康トライ」のサービス提供を開始。これにより、Insurhealth®関連の商品は計7つとなった。

「仕事を通して、人々の健康な人生を支えることに貢献できるのは幸せなことです。その情熱を持った若い方に、ぜひ私たちの挑戦に加わってほしいと考えています」と中川は話している。